消化器肝臓内科学講座公開講座開講の報告を掲載しました。

 三重大学医学部消化器内科学講座では、日本肝臓学会の主催で肝がん撲滅運動記念講演会として7月24日に市民公開講座を開催しました。本公演会では「肝炎最新情報について勉強しよう」というタイトルでウィルス性肝炎と小児肝炎、脂肪性肝炎について市民の皆様に知っていただくことを目的として、三重大学病院消化器・肝臓内科の爲田雅彦先生と重福隆太先生が講演を行いました。新型コロナウイルス感染拡大のため、現地開催は人数を制限しての開催となりましたが、YouTubeでも同時配信を行い、多くの方々にご参加、ご視聴いただきました。
 最初の講演では爲田先生から、ウィルスが引き起こす肝炎、とくにB型肝炎、C型肝炎についての説明がありました。また、本年4月以降に欧米を中心に報告された小児の原因不明の急性肝炎について、講演の時点で判明している情報について報告がありました。小児肝炎については原因が特定されていないこともあり、不安に感じる親御さんも多くいるようでしたが、過剰に心配する必要はないと説明がありました。
 重福先生からはお酒と肥満による脂肪肝について、肝臓の働きにはじまり、脂肪肝の原因や症状についての説明がありました。また、脂肪肝の中でも進行した場合には肝臓がんの原因になること、脂肪肝の状態を把握するために必要な検査、特に簡便な検査であるFIB-4インデックスや三重県で初めて導入されたMRエラストグラフィの説明、食事や運動による減量も含めた治療についてのお話がありました。
 今回の公開講座を通じてご自身の肝臓を見直す機会になったとの感想もいただいており、肝疾患の予防につながるよい機会になったのではないかと思われます。今後も市民公開講座を通じて、肝疾患だけでなく消化器疾患全般の予防や早期発見の機会になる活動をおこなっていきます。

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爲田雅彦先生講演
『まだまだ知らないウイルス性肝炎と小児肝炎の新着情報』

重福隆太先生講演
『お酒と肥満と脂肪肝 ~知らないと怖い肝臓病~』