令和4年度Post-CC、Pre-CC OSCEについてを掲載しました。

 本年度、私は基本的臨床技能教育・OSCE専門委員会委員長を務めさせていただきました。9月3日に6年生に対してPost-CC OSCE(診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験)、12月3日に4年生に対してPre-CC OSCE(診療参加型臨床実習前客観的臨床能力試験)を実施いたしました。それぞれ臨床実習が始まる前の4年生、また医師となり、初期臨床研修が始まる前の6年生に対して行うものであり、臨床技能と診療知識、患者さんへの配慮など、臨床医となるのにふさわしい資質が備わっているかを評価するものです。いずれの試験もご協力いただいた先生方、事務の方、模擬患者の方などの多大なる支援があり、大きなトラブルなく、無事終了することが出来ました。この場をお借りし、感謝申し上げます。
 Pre-CC OSCEは来年度から公的化となり、今年はそれにむけたトライアルの位置付けであり、機構より8課題での実施が求められました。昨年まではコロナウイルス感染拡大の影響もあり、6課題での実施でしたが、今年はコロナ対策も考慮した上での8課題となりました。OSCEでは模擬患者に触れての身体診察の評価が基本となるものの、やはり感染のリスクもあり、どの範囲までを模擬患者で行い、どの部分ではシミュレーター、人形を用いて行うかの判断に苦慮しました。OSCE委員の先生方、事務の方との議論を重ね、いろいろ工夫することで問題なく実施することが出来ました。
 一方で、OSCEは進級、卒業要件ともなっていることから、学生の成績の向上も一つの課題でした。機構はより公正な評価を目指しており、来年度からは採点についても機構が行うことになっています。そのため今年は機構からの派遣監督者も昨年より増えました。私自身は「基本的臨床手技」という試験課題、授業を専門とし、例年担当しておりますが、残念なことに昨年はとくにその課題の成績が不良でした。加えて今年はその課題において、例年とは違った内容での実施を機構より求められ、さらに成績が不良となることが憂慮されました。そのため、OSCEの授業である基本的臨床技能教育の段階から学生への指導を強化すべく、OSCE委員の先生方とも授業の内容について議論を重ね実施しました。その結果、その課題を含め全ての課題において例年より好成績をおさめることができ、全員が本試験で合格となりました。また私の印象では学生自身も本年度は非常に熱心に授業に取り組んでもらっていたと思います。
 OSCEは来年度からは正式実施となり、さらに評価が厳しくなることが予想され、全体的な授業内容の見直し、強化も図っていきたいと思い、来年度の基本的臨床技能教育授業の再編も行っています。これまでOSCE委員の先生方、事務の方とも非常に熱心に学生教育に取り組んでいただき、皆様一丸となって実施できたことが成功につながったと思います。あらためて感謝申し上げるとともに、今後のさらなる発展を願っております。