坂東教授就任のご挨拶を掲載しました。
この度、2023年4月1日付けで、三重大学大学院医学系研究科基礎系講座分子生理学分野 教授として赴任致しました、坂東泰子(ばんどう やすこ)と申します。
17年ぶりに母校の地で医学に取り組むこととなり、感慨もひとしおでありますとともに、三重大学が時につれ進化していることを実感し、今後は私もすこしでもその一助になれるよう、与えられた仕事に誠心誠意邁進する決意でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は循環器内科医として臨床の経験もございますが、医師免許を得る前から、基礎研究に携わって参りました。ご参考いただければとこれまでの研究スタイルの特徴を図1にまとめました。研究に学生時代から開眼できたのは、三重大学の研究室研修制度のおかげであり、それがなければ、研究の面白さに気付かぬままだったと痛感いたします。いまは自分が、三重大学の医学部生を迎える立場になり、基礎臨床にかかわらず、医学を科学としてとらえることのできる「質の高い医療人の育成」を、「研究推進」とともに、三重大学での当教室のKPIとして掲げたいと存じます。
臨床医である背景は、基礎講座を任された身として、長所短所いずれにもなりえると思われます。当講座の教官2名は、優れたサイエンティストでありますので、彼らの力もかりながら、当教室が、臨床上の疑問(Clinical Question)を基礎研究で解き明かす、逆トランスレーショナルの実践の場となればと祈念しております。
これからの基礎医学研究には分野を超えた連携が重要です(図2)。いわゆる水平統合を研究でも実現し、異分野交流を行い共同プロジェクトを立ち上げることができればとおもいます。これにより期待できる効果は、化学反応による新たなシーズ創成であり、これが、予想外のブレークスルーやムーンショットを可能にすることと考えます。
最後に、最近ようやく気がついたのですが、女性であることを誇りに思い、女性同志のネットワークをここ三重でも築いていけたらと存じます。職種を問わず、研究、臨床、教育、女性、色々なチャンネルを開いて、皆様方と大いに楽しく元気に、ここ三重大学の発展に貢献できればと考えます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
令和5年4月吉日 坂東泰子