着任のご挨拶
三重大学大学院医学系研究科
公衆衛生・産業医学分野
神谷 元
2024年2月1日付で、三重大学大学院医学系研究科公衆衛生・産業医学分野の教授に着任いたしました神谷元と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
25年ぶりに母校に戻って参りました。学生時代に真っ黒になりながらボールを追いかけた精神科テニスコートや暗くなるまで友人たちと語り明かした医水グラウンドが無くなっている衝撃や、新しい附属病院に感激するなど、完全に浦島太郎状態ですが、それでも学生時代にお世話になった先生方や同級生、後輩の皆さんの顔を拝見すると母校に戻ってきたことを実感いたします。
私自身はこれまで感染症疫学(特に実地疫学)や予防接種を中心に研究、活動してまいりましたが、それは公衆衛生・産業医学分野がカバーする領域のほんのごく一部です。当講座のスタッフはもちろんのこと、医学部の他の講座のみなさま、そして総合大学である三重大学のメリットを生かして、他学部の皆様とも幅広く協力して研究等に励んでいきたいと考えております。
このほか、兼任として公衆衛生・感染症危機管理学講座の教授も拝命しております。この講座はCOVID-19パンデミック対応の経験から、公衆衛生、社会医学分野で活躍する人材育成を目的として、三重県から寄付をいただいている講座となります。COVID-19パンデミック対応は、全世界で困難を極め、多くの命が奪われ、同時にアウトブレイク対応をした人たちにも大きな傷跡を残しました。今回の教訓を生かし、次いつ発生するかわからないパンデミックに向けて三重の地を感染症に強い地域にしていきたいと強く思っております。そのためには、平時からの顔の見える関係の構築、公衆衛生や社会医学に関心を持つ人材の育成、そして緊急時にはお互いが協力し合って困難に立ち向かう意識の統一が大切だと考えます。これから、様々な場面でお会いする機会があろうかと存じますが、いろいろとご教示いただければ幸いです。
25年ぶりに戻った大学、そして津の町は、変わったところもたくさんありますが、ふとした時に聞こえてくる伊勢弁と、接する人々の温かさは変わっていなくて、ここに戻って来れたことを大変幸せに感じております。まだまだ若輩者ではございますが、地域の公衆衛生の強化と発展のために、スタッフとともに精一杯取り組んでいく所存です。温かいご指導とご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。