医学科6年の佐藤綾音さんの論文が国際医学雑誌に掲載されました

医学部医学科6年の佐藤綾音さんの論文(職業別の新型コロナウイルス(COVID-19)感染経験率の分析)が国際医学雑誌BMC Public Healthに掲載されました。

医療・福祉従事者などのエッセンシャルワーカーは緊急事態宣言(ロックダウン)においても現場で業務を継続することが必要で、諸外国ではCOVID-19感染率が高いことが報告されていました。この研究では、オンライン調査で回答を得た全国の日本人一般男女21,875人の2022年10月までCOVID-19感染経験率を分析し、年齢・地域・ワクチン接種歴などを統計学的に調整しても医療・福祉従事者の感染経験率がエッセンシャルワーカー以外の職種(サービス職など)に比べて約1.4倍高かったことを報告しました。この傾向が顕著だったのは流行のピーク時(2022年夏)で、この時期にはCOVID-19感染や濃厚接触による隔離によって現場の医療・福祉従事者が減り、医療・福祉サービスが制限された事例がみられました。新興感染症流行時にエッセンシャルワーカーの感染リスクを適時に把握し、社会への影響を評価して対策につなげる取り組みが求められます。

【論文情報】
Sato A, Tanaka H, Tabuchi T, Katanoda K. Occupational differences in SARS-CoV-2 infection: the Japan COVID-19 and Society Internet Survey (JACSIS) study in 2022. BMC Public Health. 2024 Oct 16;24(1):2841.
DOI: https://doi.org/10.1186/s12889-024-20355-6