カリキュラムの概要
先進的な学習で自主性と実践力を高める、充実した6年間
自分で考え、自ら学び、自ら成長できる、本当の実力を備えた医師になるための充実した6年間が送れます。
1.共通教育

データサイエンスの授業では、1年間を通じてパソコンやアプリケーションの基本的な使い方、医療統計の初歩的な見方を学びます。情報社会がますます加速する中で、時代に応じたスキルを身につけます。
新たに必修となったキャリア教育入門では、医師としてのキャリアを知り、自分に当てはめて考えることで医師としての理想像を描きます。6年間の医学教育で、目標を持った学びを実現できます。
さらに、医学教育からヒントを得たPBL形式(問題基盤型)の授業も多数開講されています。他の人とコミュニケーションをとり、目的意識を持って行動することで、問題解決能力を養います。
2.初期医学教育

医学英語の授業も開講されます。現在診療録(カルテ)にはほとんど日本語が用いられていますが、医学論文から新しい知識を学んだり、新しい発見を公表したりするためには、専門的な英語能力が必要になります。英語での医学に関するプレゼンテーション、医師と外国人模擬患者役に分かれての英語でのロールプレイ、海外の大学に短期留学する際の自己推薦文の書き方を学びます。アドミッションポリシーに示されているような、国際社会での健康増進に寄与する意識が育まれます。
3.基礎医学教育

1年次では「分子生命体科学」でミクロレベルの分子細胞生物学の基礎理論を学びます。2年次の「生体の構造と機能」「生体防御の分子基盤」では1年次のミクロレベルでの仕組みを理解したうえで、その生理的な機能や異常を学びます。「分子医学実習」では、実際に五感を使って実習に参加することで授業で学んだ知識を深めます。
2年次は学ぶべきことが膨大ですが、医学生の最初の関門として必死で勉強します。
3年次の「社会と医学」では疫学や社会環境・社会情勢と健康の関係を学びます。法医学では人の生死と向き合う学問なので、倫理観も同時に養われます。
基礎医学教育の総復習として「系統解剖実習」が行われるのが本学の特徴の一つです。基礎医学を網羅的に学習した上で行います。御献体の解剖学的構造を理解するのはもちろんのこと、そこでの生理現象や分子レベルでの現象に想像を馳せることでこれまで学んだ知識を統合させていきます。人の死と向き合う数ヶ月間になるので、医師を志す者としての自覚と覚悟を再認識させられます。
■生体の構造と機能■ | ■生体防御の分子基盤■ | ■社会と医学■ | ■分子医学実習■ |
解剖学 生化学 生理学 病理学 |
薬理学 分子病態学 微生物学 免疫学 医動物学 |
衛生学 公衆衛生学 法医学 |
生化学 薬理学 分子病態学 微生物学 免疫学 |
4.研究室研修

5.チュートリアル教育問題基盤型(PBL)

6.基本的臨床技能教育

7.共用試験

また、基本的臨床技能教育で学んだ臨床技能は、共用試験実施評価機構による客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination, OSCE)で評価されます。
共用試験CBT/OSCEには、臨床実習で必要な知識・技能の修得を確認する目的があります。そのため、病院・診療所での臨床実習に参加する資格として、CBT/OSCE に合格する必要があります。
三重大学のCBT/OSCEは、例年、秋から冬に実施されており、4年生は試験に向けて、友人と協力して自主的な勉強を行います。
また、令和5年度から臨床実習前の共用試験CBT/OSCEは法律に定められた公的試験として実施されています。
8.臨床実習
第4学年1月から第5学年3月までの期間、本学医学部附属病院と地域の関係教育病院・診療所において、全診療領域でのローテーション型臨床実習に参加します。従来の見学型臨床実習から脱却した診療参加型臨床実習であるクリニカルクラークシップ方式を、本学では他大学に先駆けて導入しています。医療チームの一員として診療に参加することで使命感を育み、患者と病気を理解しながら、実地診療を学んでいきます。医師としての責任感を自覚し、患者の立場に立った医療実践を学ぶことを目的としており、指導医の監督の下で一定レベルの医療行為や診療業務に参加します。
9.選択的臨床実習

本実習では、卒業後のキャリアパスを考えて、希望する病院、診療科を選択することができます。実習先は大学病院だけではなく、多くの市中の病院や診療所も含まれます。また県外の医療機関で実習を行うこともあります。
また、米国・欧州だけではなくアジア・アフリカの国々での実習機会もあり、海外で実習を行う学生には、日本学生支援機構などからの援助制度もあります。
海外臨床実習は、日本とは異なる医療制度や医療文化を経験することで、幅広い視野で日本の医療に貢献する能力を修得する機会を与えてくれます。
10.卒業試験・医師国家試験

医師国家試験は、医師になるための資格試験です。医師国家試験は、毎年2月に実施され、試験期間が2日間、試験問題は医学の全領域から400問が出題される試験です。合格率の全国平均は90%前後です。三重大学医学部医学科学生の合格率の高さは学内外から高く評価されています。令和4年度の新規卒業生の合格率は、98.4%でした。
11.臨床研修プログラム

医学科には、6年間の学部の勉強の空き時間を利用して、大学院の研究生活を先取りしてしまう「新医学専攻コース」があります。研究指導を受ける研究分野の教員や大学院生、同じコースの上級生など、さまざまな人とふれあい親しくなるチャンスにもなります。自分がみつけた研究成果を、国際学会や国際的な科学雑誌に発表してみませんか?
すでに、たくさんの先輩が新医学研究コースで貴重な研究者体験をしています。
12.三重大学医学部附属病院臨床研修プログラム

1.研修医が目標達成に向けて自由に選択できるプログラム
2.初期研修と専攻医修練が効率的に繋がるプログラム
3.各診療科の指導医の下できめ細やかな指導を受けられるプログラム
4.ローテーション診療科の特性に沿ったクリニカル・スキルを身に付けることができるプログラム
5.将来の専攻希望に応じて検査・治療手順を学べるプログラム
6. 担任が目標達成までサポートするプログラム
13.大学院医学系研究科

大学院には、修士課程(2年制)と博士課程(4年制)がありますが、医学部医学科は、6年制ですので、医学部卒業後、修士課程を経ずに博士課程に進学することができます。同研究科には、志願者の希望に添う多くの研究分野が設置されています。
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- カリキュラム紹介PDFファイル
- 新医学専攻コース登録申請書
(登録は随時受け付けています。コースに登録を希望する学生は必要事項を記入して、学務課医学科担当に提出してください。)